「喫茶メルヘンの物語：人々の集う暖かな交差点」

寒い日々の中にも早くもフキノトウが顔を出してきたりと、少しずつ春の香りが漂い始めた高千穂から、皆様が少しでも暖かくなるようなカフェ情報をお届けします。

高千穂神社のすぐ側で、柔らかな雰囲気のママの笑顔に支えられて長年愛される「喫茶メルヘン」。今回は「高千穂カフェMAP」のリリース記念にスペシャルなインタビューをお贈りします！

オーナーママ: 長尾 ヤス子さん

ヤス子ママとメルヘン

昭和57年(1982年)の2月15日に開店した高千穂民の憩いの場である「喫茶メルヘン」。

なんと今月で創業43年を迎えます。普段は一人で大変なので、滅多に取材は受けられないとのこと・・・！

高千穂神社の参道「神殿通り」沿いにあり神社から徒歩5分程度の距離にあります。

オーナーママの長尾 ヤス子（ながおやすこ）さんは、「かけめがやすかった」から「ヤス子」というお名前なのだそう。なんでも高千穂の方言で「体重が軽かった」からという意味なのだそう！

「43年も人々に愛される場所を守り続けるなんて、凄いですね・・・！」と伝えると、「しがみついてるだけよー！笑」と快活に返してくれるママ。

アンティーク調の沢山の木で囲まれた店内には、いつも常連さんや観光客の皆様の笑顔で溢れています。

緩やかな有線のジャズが流れる空間には、スピーカーも開店当時のまま。思わずタイムスリップしてしまいます。

ブレンドコーヒーはサイフォン式で丁寧に淹れられる、昔ながらの毎日飲んでも飽きないようなスッキリとした味わい。

勝手知ったるカウンターの中から全てのサービスを小気味よくこなすヤス子さんは、手が届くの？と思う範囲の生ビールまでカウンターの中から注げちゃうそうです！

長年の常連さんと初めましての観光客

コロナ禍の数年前までは、なんと夜中の2〜3時まで営業しており飲み会帰りの地元民の「シメの一杯」のコーヒーを出されていたそうです。

現在はママ一人で切り盛りしているため、【11:00〜17:00】の営業で不定休(日曜が多い)そうです。

予約不可で6席のカウンターと2席のテーブルで、一期一会の出逢いが楽しめる空間となっています。

英語メニューもあり、観光客でも安心して注文できるようになっています。

そんな「一見さん」の観光客の皆様と、かれこれ40年以上通う「常連さん」が交わる「人間交差点」。

それが「喫茶メルヘン」の大きな魅力ではないでしょうか。

移り行く高千穂を見守る喫茶店

創業当初は全く町の景色も違っていたそうで、「米所」と呼ばれる精米所や「壽屋」という百貨店までメルヘンの前には立ち並んでいたそうです。

最大で10数件あった喫茶店も少しずつ減っていき、今となってはサイフォン式でコーヒーを淹れるのはメルヘンだけになったとのこと。

それでも目の前の高千穂神社には毎年12月31日に「お礼参り」に行くそうで、「初詣は人多いやろー♪」と笑うママがとても可愛らしかったのが印象的でした。

高千穂のシンボルである神社のお膝元で、神様に見守られる交差点に灯りを灯し続けるメルヘンには、本当に頭が上がりません。

名物のハンバーグとカレーを注文して待っていると、ほぼ毎日40年以上通う87歳のおじいちゃんがご来店しました。

単純計算でも1万回以上？通う本物の「常連さん」に恐縮しつつ、「近くに住んだら同じように通っちゃう・・・！」と思わせてくれるほど落ち着くメルヘンの魅力に、どんどんハマってしまいました！

豊富すぎるメニューに感嘆

豊富なメニューは選ぶのに苦労するほど魅力的なものばかりでした・・・！

ハンバーグはフワッフワでジューシーな「THE喫茶店！」な味わい。付け合わせの目玉焼きや野菜達もとても優しく、特製のデミグラスソースに心も身体も包まれました・・・。

カツカレーは甘めの中にも奥深さがあり、ヴォリュームたっぷりのカツとのコラボレーションが完璧！

近所の道の駅「がまだせ市場」で仕入れる高千穂野菜たっぷりのサラダや、宮崎県産にこだわるお米(ヒノヒカリ)も最幸のマリアージュでした。

生姜焼きは昔ながらの味付けで、実家に帰ってきたかのような錯覚！

サラダもたっぷりで、ソースを絡ませて一緒に食べるのが幸せすぎる・・・。

他に常連さん達にはそれぞれのお気に入りがあり、奥様お気に入りのオムライスや、町議員さんの大好きなピラフなども・・・全部美味しそうでお腹があと10個くらい欲しかったです！

喫茶店ならではの絶品デザートの数々。

フォンダンショコラ ~バニラ＆抹茶アイス添え~は、温かいショコラとクリーミーなアイスが絶妙のバランスで奥の中でハーモニーを奏でます。

ケーキやパフェもいいけれど、おススメはわらびもち。黒蜜をたっぷりかけて召し上がれ。

バター&ハニートースト~バニラアイスのせ~はどこか懐かしい味わいで、ボリュームたっぷりなのに何故かペロリと食べられてしまう味わいでした！

こちらも豊富なデザートメニューで、「別腹」もあと3つは欲しいところです！笑

目標は「かわらないこと」

岩戸地区出身のヤス子ママは、「常連さんばっかりで仕事が楽しい！休むのが嫌なくらい！」と、カウンターに飾ったラナンキュラスに負けない笑顔で教えてくれました。

店内に飾られた明るく元気の出る絵はママの姉の芙貴子さんが描かれたものだそう。

なんと芙貴子さんは近所でユートピアというスナックを営む「ママ」。なんとメルヘンよりも昔から営業しているとのことで、とっても素敵な「ママ姉妹」なんです。

メルヘンのお店には一時期ヤス子さんの娘の「千里さん」がお手伝いをしていたそうで、毎日お弁当を作ってくれるそうです。「たまには店のものも食べたいんだけどねー！」と嬉しそうにお茶目に教えてくれるヤス子さん。

最後に「今後の展望はありますか？」という質問に対して、

「このまま変わらずに、ずっと続けていけることかなー。」と答えるヤス子ママ。

43年続く「楽しくてたまらないお仕事」の秘密と、人々に愛され続ける魔法の心構えを、確かに感じました。

（記事：yutakism）

【店舗情報】

• 営業時間：11:00〜17:00
• 定休日:不定休(日曜が多い)
• 予約不可※
• 駐車場 あり（店舗ななめ前 ベスト電器内駐車場・表示有）

喫茶メルヘンのアクセスマップはこちらです。

おみやげが買える 道の駅高千穂と高千穂がまだせ市場 直売所鬼八の蔵の中間地点にある休憩処でもあります。

道の駅高千穂→こちら

高千穂がまだせ市場　直売所鬼八の蔵→こちら

おわりに

子供のころから「そこにある」という安心感をあたえくれる貴重な老舗の「喫茶メルヘン」さん

メニューも味もずっと変わらい・・・ほんとうに有難い存在です。

いつまでも「そこにあって」ほしいと願っています。沢山話してくださって、写真も快く対応してくださってありがとうございました。

皆様も、昭和の空気、ほっと安心する時間を味わいにお立ち寄りくださいね(*^_^*)

ーーーーーー高千穂をこよなく愛するmikotochangでした。