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高千穂と七五三縄(しめなわ)① ・・・わらなうスローライフvol.8

伝統の技術を学び、笑顔を繋ぐ。

藁(わら)を綯(な)うこと・・・「綯う(なう)」とは、手の中でわらを縒(よ)り合わせて縄を作ることを言います。

師走(しわす)は、年末に僧侶が各家を巡り、来年の無事と繁栄を祈る風習があっての語源の意味だそうです。現代では誰もが忙しい時期となっている、そんな一年を締めくくる12月に、「天岩戸交流センターあまてらす館」主催にて「七五三縄(しめなわ)体験」のワークショップが開催されると聞き、体験の取材に行ってきました!

ランチタイムを、はさんで午前と午後の一回ずつ計20名限定という狭き門です。募集したら応募殺到して毎年抽選になってしまうという人気ぶりを、確かめてみたいと思います。


「貴重な高千穂町産の藁」で自分の手で作る「七五三縄(しめなわ)」大人気ワークショップ!

一年間玄関などのしめ飾りにする事に、特別な愛着がわきますよね。昔はきっとご自宅で手作りしていた家も多かった時代もあったのだろうと想いをめぐらせます。

では、さっそく「天岩戸交流センターあまてらす館」へ!(あまてらす館の前回の記事はこちら)

「天岩戸交流センターあまてらす館」が新設時から開催されれいるそうなので今回4回目になると主催者のあまてらす館の方のお話でした。

朝のワークショップ会場では、午前の部の参加者たちが熱心にしめ縄作りに取り組んでいました。ベテランも初めての方も、体験に目を輝かせながら、藁を丁寧に綯っていました。

私が予約し体験をさせていただいたのは、午後の部でした。もちろんランチオプション付き!(詳細は下記に記載)

こちらが「天岩戸交流センターあまてらす館」Instagramでの情報です。

「しめなわは、神聖な場所を示すもので、魔除けの意味も込められています。藁を綯う際には、一年の無事を願いながら、心を込めて作ることが大切です。」と講師のお言葉を聞きながら気をひきしめスタートです。

↓まず一人ずつセットが渡され、目に前に置かれた藁2束と麻ひもは、初心者でも作りやすい様に細かく麻ひもで束ねられ、揃えられていて美しくて感動~。いよいよスタートします!ドキドキワクワク。(*^_^*)

ポイント「やわらかくする」

まず、藁をしっかり水に浸します。冬の気温で水もかなりの冷たさです。でもしっかり水分を含ませます。しっかり浸さないと固いそうなので、冷たくとも時間かけました。

 

湿った藁を叩く行程を、先生がやり方の手本を見せてから、次に生徒が続きます。

水分をしっかり含んだ藁を、しっかり木槌(きづち)で叩きます。「しっかり叩いておかないと、綯うときに、大変よ」と、参加者の方に教えていただいきました。

参加者の方々も、全員ご自分で頑張って叩きました。

いよいよ私の番です。↓

 

これが思ったより力が必要でした💦しっかりした稲藁です!しかし後のことを考えて、しんなり柔らかくなるまで、想いを込めて叩きました。参加者の方々が互いに「日頃のストレスを思ってやったら~」と冗談で笑いをとっていて、ワイワイ賑やかです。

 

叩いて、しんなり柔らかくなった藁で、最初の「ないかた」の指導がスタート。

 

まず、二つの束を繋いで長い一つの長い束(しめなわの長さ分)を作り、その長い束を三束作ります。

その三束の内の二束で綯っていくのです。まず先生がお手本を見せます。

皆で集まって「講師の手元」をみる時に、「え~💦わからなーい」「むつかしーー」と歓声?スマホ取り出して撮影したり、できるかな?と言いながら、参加者は、自分の位置に。

次のポイント両手両足を全部使って、二束の藁をよりあわせて螺旋の様に巻いていきます。

じつは、慣れていなく要領を得ないと、すごい変な姿になります(笑) しかし、皆さん頑張ってるお姿で、かなりかっこいい!

私自身が初心者なので、周りをキョロキョロ見たりしながら、焦りながらも💦見様見真似で、全身全力集中で・・・最初は、遅れてのスタート、追い抜いくぞーっと頑張った勢いで、ようやく追い付きました・・・すごいぞ自分!↓

上の写真に様に、最初の藁紐ができました。さらに、下の写真の様に、もう一束を螺旋にそって巻くように綯っていきます。

太い縄が完成したら、最後に床に押し付けてゴロゴロと手で調整したりと体験しないと解らない事多々あります。

横にはみ出た藁をカットしたり見栄え良くなるように仕上げていきます。

↓そして完成したら、別に準備されている藁を5本ずつに分けていきます。隣の方の5本ずつの分け方がアート的でしたので、パチリ!それぞれ個性がでますね(笑)✨

 

先に分けて置いた5本ずつの藁を束ねたものを、糸通しの様な講師手作りの竹の道具を使って出来上がった藁縄に刺していきます。

高千穂のしめな縄は下がりの部分は、七本・五本・三本という伝統です。(←地区によって異なる事もあります)七五三の意味は次の通りです。

  • 7本= 「天神七代」 

    ・ 国之常立神(くにのとこたちのかみ)・豊雲野神(とよぐもぬのかみ)・宇比邇神(うひぢにのかみ)・須比智邇神(すひぢにのかみ)・角杙神(つぬぐいのかみ)・活杙神(いくぐいのかみ)・意富斗能地神(おおとのじのかみ)・ 大斗乃弁神(おおとのべのかみ)・淤母陀琉神(おもだるのかみ) ・阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)・伊邪那岐神(いざなぎのかみ)・伊邪那美神(いざなみのかみ)

  • 5本=「 地神五代」

    (神武天皇の前に国を統御された神)・天照大神(あまてらすおおみかみ)・天忍穂耳命(あめのおしほみみ)・邇邇芸命(ににぎのみこと)・火遠理命(ほおりのみこと)・鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)

  • 3本 =「日向三代」

    ・邇邇芸命(ににぎのみこと)・火遠理命(ほおりのみこと)=山幸彦 ・鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)

 

この五本の束を、七つ、五つ、三つとそれぞれ刺していく行程は、神様を想いながら刺していきましたから、まっすぐな気持ちとなり緊張しました。

無事に七本・五本・三本と刺すことができました。(*^_^*)これで、無事に神様がきてくださいますように!(。-人-。) ←お祈り

最後に留める時に、解けない紐の結び方を学びましたが、これが意外に難解・・・再度勉強します。💦(難解で解説できないのでごめんなさい)まだまだ奥が深いのです。

 

最後の仕上げのカット↓

切りそろえるのも、最後に付ける緑色と赤の紙垂(しで)の長さに合わせてカットしていきます。ここは失敗しないように慎重に。緊張の瞬間。

 

最後に紙垂と扇を付けて完成!10名全員できあがりました!ちょうど2時間!完璧ですね。

最後に、全員集合で記念撮影をして解散となりました。

 

高千穂町は一年間各家々の玄関にしめ縄を飾ります。その為とても身近な存在であり、感心も高いのだなとあらためて感じました。

七五三縄のお話は引き続き②に書いていきますね。お楽しみに。


講師の想い

今回講師としてご指導くださったのは、隣町の日之影(ひのかげ)町の甲斐義晴(かいよしはる)さんです。ワークショップ自体は長年していましたが、この岩戸でのワークショップで教えるのは4回目ですと、これまでやってきた想いをうかがってみました。

元々、しめ縄など、伝統工芸を教え始めたのは、12年前頃からで西臼杵地区の方々からの要望があって始めたことが、今も様々な方からのお声がけでワークショップが実現しています。今後の夢はという問いかけに「できるだけ人の為になる様な活動をしていきたい」と現在、応援してくれ関わってくださるこの高千穂町や岩戸地区の方々にほんとうに感謝しているとおしゃっていました。

参加者の満足の笑顔

午前の部(午前の部と午後の部がでの2回開催)に参加の仲良し二人組さんにインタビュー。どうでしたか?と問いに「とっても難しかったっちゃけど、楽しかったばい、無事できあがったき嬉しい~」「これで正月がむかえられるばい」と、とっても楽しそうに話してくださいました!地元高千穂町の押方からと日之影町からとのご参加でした。ご協力ありがとうございました!

参加者でわいわいランチタイムはカレーライス

午前の部と午後の部の間に、「オプションのカレーランチタイム」がありました。ワークショップ申込時に、一緒にセットの申込となっていて、もちろん私もいただきました。参加者と一緒にテーブル囲んで食べるランチもとても楽しいひとときですね。年齢性別バラバラで、初めて会う方々、久しぶりに会う方々と笑顔で美味しいいカレーライスを食べる。なんて幸せな空間なんだろうと癒されておりました。

「第一回目から応募して2回しか抽選が当たらず今回やっと2回目なんです」という参加者や、初めての方、3回目の方と様々でした。七五三縄のワークショップ人気に驚きました。実はワークショップ時間中通りかかる観光客の方々がしばらく見学をされていたり、参加したそうな方もいたり、地元の方で予約間に合わず見に来たという方もいました。そんな話に花が咲くお食事会でした。(*^_^*)

藁とカレーライスの提供は、岩戸神社の入り口参道はさんであまてらす館の真向いにある「喫茶この花」さんでした。稲藁は、喫茶この花のオーナーのご自宅で栽培されていてるとの事ですので、天岩戸産の藁という事ですよね。

 

写真のこの彫り物(エリモノ)(注1)は、講師の甲斐義晴さんが参加者の皆さんにプレゼントとして作られたとのこと。なんという優しさでしょう。来年の干支ですね。参加者大喜びでした。

写真の素敵な竹工芸作品は、講師甲斐さんの作品たちです。独学で作っていますとの事でした。

参加者の想い、講師の想い、地元岩戸地区の方々の協力とそれぞれの想いが集まって沢山の笑顔をうんでる。そんな瞬間に立ち会う事ができました。ありがとうございました。


七五三縄(しめなわ)ワークショップについて

会場 (主催)天岩戸交流センター あまてらす館

令和6年12月18日㈬  参加料金 1,000円 食事付参加料金1,800円

募集人数 午前・午後 1回10名(合計20名)(応募多数は抽選になる場合もあります)

時間 ・午前の部:9時から  ・午後の部:13時から  (完成までかかる時間は2時間~3時間ほど)

毎年12月頃に開催(予定)

公式Instagramや問い合わせはこちらです

アクセスマップはこちらです↓

案内所営業時間:午前9時から午後5時まで
電話・ファックス番号:0982-82-2796


注釈

1: 彫り物(えりもの)高千穂の夜神楽で奉仕者(ほしゃどん)が舞う舞台「神庭(こうにわ)」の四方に飾られ、この二間四方の神庭は高天原をあらわします。

高千穂町の観光協会では、彫り物体験の案内もしています下記のリンクを記載しておきます。

一般社団法人高千穂町観光協会の彫り物体験についてはこちらです。

 


おわりに

今年は、長雨により「掛け干し米」なかなか乾かず苦労したと農業さてる方々に聞いていただけに、よくこれだけの藁を準備し間に合わせたなと、ご苦労に感謝でいっぱいでした。

そして、自分も制作しながら、自分の手元や他の撮影も続行しながらは、時間も制限あっての中で不安も少しありましたが、無事皆さんに遅れる事なく完成した事で、ほっとしました。ご助言してくさったご先輩方々ありがとうございました。

水に湿らせていたので、濡れて変色していた七五三縄ですが、持ち帰り時には乾いていて本来の色合いに戻っていたので、ほんとの「完成」として記念撮影しました。

 

 

年末のしめ飾り着けが楽しみです。

ご興味がわいてきた方、やってみたい方は、来年是非ご参加してみてくださいね。

ーーーーーー高千穂をこよなく愛するmikotochangでした。

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