まち未来づくり  

高千穂町で生きる、守る、未来をつくる 「高千穂町の強みと課題再発掘ヒアリング調査最終報告会」レポート④

2023年5月12日、高千穂町の主催で「高千穂町の強みと課題再発掘ヒアリング調査最終報告会」を開催しました。この報告会は、高千穂町が持続可能なまちづくりを進めるための取り組みの一環として行ったものです。報告会で行った調査報告、町内事例発表、グループ討論の内容を4回シリーズでご紹介します。

最終回となる第4回目は第3部で行ったグループ討論と総評の内容をご紹介します。

  • 高千穂町の強みと課題再発掘ヒアリング調査最終報告会レポート④

 

■第3部 グループ討論

討論テーマ「皆さんが残したいもの、守りたいものは何ですか」

〇発表〇

<1グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  高千穂の田畑などの景観、伝統芸能である神楽や剣道、高千穂ならではの人とのつながり、
  •  人の良さを活かしたつながり。
  • ②そのためにできること
  •  都会との違いを活かした体験。問題ごとにリーダーを決めてその人を中心に問題解決に向けていく。
  •  町内で出来ることをどんどん増やして、高千穂ならではのモノを大切にしながら問題解決に向けて
  •  実行していく。

<2グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  人の温かさ、人の繋がり、伝統文化など。
  •  (大阪から1ヶ月前に引っ越してきて、人の温かさや高校のみんなの素直さみたいなものにすごく
  •   惹かれました。そういう人の温かさを大切に守っていけたらいい。)
  • ②そのためにできること
  •  農業など始めたいと思っている移住者の方が、気軽に農業をはじめられる環境づくり。それは何か。

<3グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  高校生、若い人たちを守っていきたい。
  • ②そのためにできること
  •  人手不足では、高校生の手を借り地域の人たちとの関わりをつくる。
  •  地域の方も人手不足を解消でき、高校生も交流の中で経験や良さを知ってもらう。
  •  今後に繋げてほしい。

<4グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  自然。神楽、刈り干し切り唄など文化や歴史。山腹用水路は今の農業をしていくうえで必要不可欠。
  • ②そのためにできること
  •  日之影町では地域連携教育に力を入れている。小さい頃から地域を学ぶことで、おのずと残っていく
  •  のではないか。
  •  文化や伝統は、デジタルで残していくのが時代に合った残し方ではないか。

<5グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  伝統や文化、自然、昔の高千穂を取り戻す。
  • ②そのためにできること
  •  全部人とのつながりが大切。祭りや神楽など行事ごとを通じて、人とのつながりを積極的に
  •  増やしていくことが大切。

<6グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  森林、自然、産業としての農業、用水路、農業も含めた働く場所、生活する空間・環境。
  • ②そのためにできること
  •  人と人とのつながり、地域自らのモチベーションを維持することが大事。行政主導ではなく、
  •  地域住民自らの出発となれば、おのずと結果は変わってくるのではないか。
  •  神話を使ったアニメなどの聖地化のストーリーを新たな資源として考えてはどうか。
  •  神楽に関しては、奉仕者(ほしゃどん)の担い手として男性・女性の後継者問題が大きな課題
  •  としてある。

<7グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  伝統継承(夜神楽)、希少動植物の保存、里山の自然、棚田などの自然の景観、高千穂らしい味、
  •  高千穂の方々の特有の温かい心・相手を思う心。
  • ②そのためにできること
  •  高千穂から外へ出ていった人がまた高千穂に帰りたくなる、帰って仕事をして生活したくなる
  •  基盤をつくりたい。
  •  少子高齢化で地域のつながりが少なくなって、人が減ったことで地域内役目を併用する方も多く
  •  なってきている。それぞれの地区単位では難しくなってきている。他人事ではなく自分事として
  •  とらえられるようにしていくために、課題を抱える地区の縦と横のつながりの中で、皆さんを
  •  巻き込みながら解決していかなければならない。
  •  今後、高千穂まちづくり公社が中心となって町ぐるみで地域の課題を事業化して、地元の人と
  •  解決に向けて利益を生みながら課題解決にアプローチしていければ。

<8グループ>

  • ①残したいもの、守りたいもの
  •  神楽、自然、地域のお店、若い人、高千穂の景色など生活の身近にあるもの。
  • ②そのためにできること
  •  共通する課題として人手が足りない、後継者がいないが出た。
  •  興味を持ってもらい協力してもらいたい。人との関わりを強くすることが重要。
  •  興味を持っていることがマッチングできるようなサイトをつくって、情報発信してはどうか。

〇総評〇

高千穂町 副長 藤本 昭人

  • 高千穂町は、観光名所も多く外の方から「いいね」とよく言われますが、実際にはいろんな課題が
  • あります。調査では、高齢化、後継者不足、人材不足など人にまつわることも多く、目の前に直面
  • する大きな課題であります。
  • 高千穂町の場合、1年間で約200名の人口減少が続いています。このままではいつかなくなる、
  • いかに減少するスピードを落とすかという事で様々なことに取り組んでいます。
  • 一方、強みとして世界農業遺産・ユネスコエコパークと様々な認定も受けています。観光客ニーズ
  • の変化で、体験や学びを目的に持った方が増えているということでした。町内発表していただいた
  • 地域資源と観光との取り組みも参考になりました。今後も体験メニューの造成、また異業種間の意
  • 見交換の場も求められています。
  • なかなか行政の枠組み、主導では難しい分野も出てきていますので、昨年発足した高千穂まちづく
  • り公社でも取り組むべき課題ではないかと思っております。
  • グループで討論した「残したいもの・守りたいもの」は、皆さん同じような考えを持っておられま
  • した。どのように対策を取るか、どのような考え方を持っていくか、今回のように様々な年代、
  • 業種の方が意見交換をするという事は、特定の方だけで考えるよりとても実りのある重要なことだ
  • と思っています。
  • 今後もこのような企画を続けていきながら、様々なご意見を聞いて持続可能なまちづくりに取り
  • 組んでいくようにしたいと思います。

ー最後にー

  • 今回の報告会を通し、世代・それぞれの立場に関わらず多くの町民の皆さんが「高千穂町で生きて
  • いくこと」を思い、そして守っていくために何かをしたいと思われていると深く感じました。
  • 今後も、高千穂町の魅力や抱える課題を共有し、一人でも多くの町民の皆さんに携わっていただく
  • ことで、個々人や町内各産業の課題を町が一体となって解決に取り組む持続可能なまちづくりを
  • 行っていければと思います。

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