まち未来づくり  

高千穂町で生きる、守る、未来をつくる 高千穂町の強みと課題再発掘ヒアリング調査最終報告会レポート②

  • 2023年5月12日、高千穂町の主催で「高千穂町の強みと課題再発掘!ヒアリング調査最終報告会」を開催しました。この報告会は、高千穂町が持続可能なまちづくりを進めるための取り組みの一環として行ったものです。報告会で行った調査報告、町内事例発表、グループ討論の内容を4回シリーズでご紹介します。

 

高千穂町の強みと課題再発掘ヒアリング調査最終報告会レポート②

■第2部 高千穂町の地域資源と観光との取り組み 町内事例発表

  • この町内事例発表は、地域資源を活かし連携をとりながら観光の取り組みを行っている2名の方に発表していただきました。今回は大平村おこし協議会 甲斐代表の発表です。

「地域が選ばれる場所になるために」

  • 大平村おこし協議会 代表 甲斐 康雄氏

大平地区は人口112名、世帯数33世帯の集落で、日本棚田百選にも選ばれている「尾戸の口の棚田」があります。農業が非常に盛んで、その中でも畜産業を営んでいる農家が多くいます。一方で、九州中央自動車道日之影深角IC開通後は、車の往来が減り地元の人以外はほとんど人が通らない状況が続いていました。

  • 令和元年度に、宮崎県および高千穂町役場が主導で大平地区と野方野地区の住民を対象にした地域ワークショップが3回開催されました。ワークショップでは、地域の課題を共有しどうしたらいいかアイディアの出し合いを行いました。

このワークショップに参加し、大平地区に危機感を持っていた私は、令和2年に大平地区公民館長に就任後すぐ、「村おこし」に興味がある住民を募りました。若い人を中心に15名ほどが集まり、9月には役場の方にも参加してもらい第1回目の会合を開催しました。みんなで大平地区を盛り上げていこうと意識を共有し、翌月の第2回目の会合で「大平村おこし協議会」を発足しました。

村おこし協議会の第1弾の取り組みとして、上野岳林道を活かしたウォーキングイベントを開催することにしました。イベントを行うことに消極的な意見もあり開催へもっていくのは難しかったです。大平地区を持続していくためには、村おこしの活動を今やっておかないとダメだという事を切に伝えました。

  • 進める中で、会員から「大平は牛が自慢!山頂で高千穂牛を食べさせよう!」とアイディアが出たり、婦人会をはじめ、さんさんクラブ(老人クラブ)からもたくさん応援が来てくれました。チラシの配付や町内放送の活用、地元の山の会に協力を依頼するなどして参加者を募集し、すぐに定員30名となりました。地元採れの野菜を参加賞にして、村おこし協議会が生産者からすべて買い上げて参加者に還元しています。参加者から大好評で、リピーターも多く現在までに3回開催しています。このイベントをきっかけに、協議会のメンバーや地元住民の「もっと地域を盛り上げていこう!」という機運の醸成にも繋がりました。

地元をPRする看板づくりにも取り組みました。畜産が盛んな村であることを周知する、集落内に観光客を呼び込む観光スポットづくりとして行っています。夏場になると、牛やサイロ(発酵した牛の餌)の匂いで集落の中が臭くなります。牛の看板があれば、畜産が盛んな村であることが周知でき、臭くても納得して村に来てもらえるのではないかという発想から始めました。日常で使う方言を標語にして、言葉に連動したイラストをつけました。看板設置後は、丑年と重なったこともあり大きな反響となりました。メディアにも取り上げられ、看板を見にくる観光客も増え、大平地区の知名度アップにつながっています。

棚田を活用した誘客・交流事業にも取り組んでいます。アウトドア推進を担当する地域おこし協力隊と協働して、農閑期の棚田を活用した棚田キャンプを始めました。10月末から5月連休までの間で運用し、地域住民も地元採れの野菜や地元料理の差し入れをするなど、温かいおもてなしが大変喜ばれています。リピーターも多く、地域住民との交流も生まれています。昨年10月には「棚田感謝祭」も開催しました。今後は、棚田と山腹用水路を活用した誘客・交流事業をしていきたいと思っています。

村おこし協議会は月に1回会合を行っています。長く続けていくために、要点をまとめて1時間以内に行うというのが私たちの基本的なスタイルです。そうすることによって会員も毎回参加をしてくれています。

  • 大平地区を常に話題性のある地域・見どころのある地域にして
  • 知名度をアップさせ人を呼び込んで(観光地化して収益を上げる・移住者を増やす)、
  • 地域を盛り上げ(住民の地域への誇り・愛着の醸成や地域活性化につなげる)、
  • 将来的に持続可能な集落にしていくことが目標です。

それぞれの集落が持続可能になれば、町全体が持続可能な町になると私は思っています。

  • まだまだ道半ばですが、
  • “とりあえずなんでもやってみる!”、
  • “次は工夫してもっといいものをやってみる!”をモットーに、
  • 地域づくりに取り組んでいきたいと考えています。

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