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悠久の伝統と現代をつなぐ神々の里高千穂~第二弾~

令和6年12月21日(土)、高千穂町三田井・浅ヶ部(あさかべ)地区の公民館に、神楽の調べが響き渡る。

天香具山(あまのかぐやま)の麓に広がるこの集落では、古くから夜神楽が人々の暮らしに根付いています。神楽宿となった公民館は、今夜、神々を迎え入れる準備に追われていました。

かつては、旧暦11月11日から翌12日にかけて、民家を巡りながら神楽が奉納されていました。しかし、時代とともに形を変え、平成17年からは12月第3土曜日に、そして近年では公民館も神楽宿に加わるようになりました。平成30年には、第125代天皇明仁(現・上皇)の誕生日にあわせ、特別な奉納が行われたこともあったそうです。

神楽の舞台となる公民館は、集落の人々の温かい手で飾り立てられ、神聖な空気に包まれています。 ほしゃどん(注1)(奉仕者)たちは、代々受け継がれてきた舞いを研鑽(けんさん)し、その所作一つ一つに魂を込められ神楽の音は、太鼓や笛の音色が夜空に響き渡り、観る者を神聖な世界へと誘います。

夜神楽は、五穀豊穣を願い神様に奉納を行うものですが、人々の暮らしと深く結びついています。 集落の人々は、神楽を通して祖先を敬い、地域の絆を深めてきました。町内の夜神楽全体が、コロナ禍で中断を余儀なくされた時期もありましたが、人々の熱意によって、夜神楽は再びその輝きを取り戻しつつあります。

浅ヶ部公民館は三田井の中心部から車で5分ほどの地区にあります。

高千穂の夜神楽の一般公開リストは ➡ 高千穂町サイトを参照

神々をお迎えする準備は、すでに佳境を迎えていた。磐下権現から神楽宿への道中を済ませた神様方は、地域の人々の温かい想いに包まれながら、公民館へと到着。一方、公民館の裏にある厨房では、神楽料理の準備に追われる女性たちの姿がありました。

ある地区では「かみづかわれ」と呼ばれると聞いた事もあるのですが、この奉仕は、神様へのおもてなしの準備である。懐かしい神楽料理の香りが辺りに漂い、厨房は活気に満ちていました。「お疲れ様です」と声をかけると、皆、笑顔で応えてくれる。伝統を受け継ぎ、地域のためにと献身的に働く彼女たちの姿は、見ている私たちを温かい気持ちにしてくれました。

神楽うどんや煮物といった定番料理に加え、時には、この地域ならではの珍しい巻き寿司も登場!例えば、筍で巻いた筍寿司など、その土地ならではの食材を使った一品は、参加者たちの舌を楽しませてくれます。

厨房に立つ女性たちの間には、長年の友情が育まれており、賑やかな笑い声が絶えず、久しぶりに会う顔なじみに声をかけられ、私も昔を懐かしむひとときを過ごすことができました。

自家で採れたもので作られ持ち寄りされた伝統料理の筍寿司です。その名の通り筍で巻いた巻きずしの事です。これを下の写真の様に食べやすく切り分けて振る舞われます。心のこもった極上のお味ですね。

この様な神事が続くことで伝統の料理も引き継がれていきますね。続いていってほしいと願うばかりです。

 

天候は曇り空で風も強く寒さ深まる中、神楽宿となる公民館の外や室内も、地区の方や他所地区からの助っ人たちで、準備が進んでいました。

悠久の伝統と現代をつなぐ神々の里高千穂~第一弾~の記事はこちらにあります。

 

外注連(そとじめ)(注2)は、いつも見ても美しく、胸をうたれます。

 

日が暮れて再度おとずれ、神々の夜神楽の世界へ。

夜も深まる時刻・・・寒さもかなり深まっています。その夜空に笛と太鼓が響きます。

 

上下写真は、外注連に神々が天下り、4筋の「みどりの糸(道標の注連(しめ))」をたどって神楽宿へ向かう道しるべの様子です。神庭(注4)に続いています。

公民館の受付にて「初穂料」をお供えさせていただいて、お邪魔させていただきました。夜中の遅い時間帯でも頑張ってる学生さん子供たちもいました。

 

写真は、「太刀神添(たちかんぜ)」の舞のシーンです。太刀の神威により厄難を払う舞。神様は、大屋津姫命(おおやつひめのみこと)ツマ津姫命(つまづひめのみこと)「ハレワイサのサア」という舞手の掛け声が入ります。掛け声がとても張りがあり、響いてきます。併せて女性の帯を襷に用いることから子授安産の祈願も含まれています。

会場に偶然いた知人が夜神楽の舞には、水に関する舞が三つあると教えてくれました。

その3つの舞が「沖逢(おきえ)」「岩潜(いわくぐり)」「住吉(すみよし)」

  1. 1.「沖逢」の神様は、天村雲命(あまのむらくものみこと)思兼神(おもいかねのかみ)事代主神(ことしろぬしのかみ)天穂日命(あまのほひのみこと)です。水神を祭る火伏せの神楽。天真名井の水を下ろすという。「吹けば行く吹かねば行かぬ」の歌が入ります。
  2. 2.「岩潜」の神様は、武甕槌神(たけみかつちのかみ)天目一箇命 (あまのまひとつのみこと)手置帆負命(たおきほおいのみこと)猿田彦命(さるたひこのみこと)です。剣の舞、白刃を持ち回転などするし。産を祈る子女の着物の帯をたすきにします。
  3. 3.「住吉」住吉神・八幡神・春日神・白鬚神   海神の舞。稲荷神楽と言い、歌が入ります。

このような前知識を先に持っておくと、また違った感じ方ができますね。自然界・生命の水・・・源を表す大切な舞であることが、実際目の当たりにすると理解することができますね。

写真は「袖花(そではな)」の場面です。順番が地区により変わるようですね。

次に「岩潜」の場面に入ります。↓岩間を潜る激流を表す舞で、四人舞から始まり3人2人と人数が減っていき、アクロバットがますます緊迫し 繰り返されます。真剣を素手で持って回転する技が見どころであり、危険と隣り合わせの舞です。刀で切れたりしないのかと緊張感が増すします。掛け声も大きく、またアクロバット的な舞が成功する瞬間は自然と観客から拍手が沸き、私も写真を撮影しながら興奮する瞬間があり拍手していました。それぞれの瞬間の写真をごらんください。

 

 

 

 

 

 

 

高千穂の夜神楽についてはこちらの観光協会のサイトをご覧ください。

寒さ忘れ、岩潜の舞の迫力に、何度も拍手を送りました!

観光神楽やメディア等でよく取り上げられる有名な面様(おもてさま)をつけて舞う舞も良いのですが、夜中通して頑張って参加しますと、興味深い舞に出会えますね。ご縁に感謝いたします。

浅ヶ部公民館の皆様、奉仕者の皆様 大変お疲れ様でした。ご協力ありがとうございました。再度感謝申し上げます。


【注釈】

  1. 1.「ほしゃどん ・ほしゃ」:神楽の舞い手であり奉仕者と書いて「ほしゃ」や「ほしゃどん」と呼びます。
  2. 2.「外注連(そとじめ)」:神楽祭場などに設けられる庭注連で、3本のノボリダケを立ててさまざまな飾りをつけたものです。神々が天下り、4筋の「みどりの糸(道標の注連(しめ))」をたどって神楽宿へ向かう道しるべとなります。山とも呼ばれています。
  3. 3.「神楽宿(かぐらやど)」:夜神楽の神が降臨する場所は「神楽宿」と呼ばれ、高千穂の夜神楽では、各集落の民家や公民館を指します。神楽宿では、神楽の結界として、神庭(こうにわ)が設置された神楽宿にて神々と里人の神事が行われます。
  4. 4.「神庭(こうにわ)」:神楽宿の中央の部屋に設けられる広さ二間四方(13.2㎡)の神楽を奉納する場所。 四隅には竹と榊を立て、注連縄と彫り物(えりもの)が飾られ、天井の中央には高天原(たかまがはら)を象徴する雲が吊られる。 神庭は、神楽宿の中で最も神聖な場所とされ、部外者が足を踏み入れることは固く禁じられている。

大好評だった「KAGURA祭2024」の企画第二弾

 

上の写真の道の駅高千穂の内倉店長が持っている箱(どれが当たるのかお楽しみBOX)は、お買い物されたお客様に無料でプレゼントする高千穂情報6種類のオリジナルデザインのトレーディングカードが入っています。かわいいキャラクターのキラキラカードは、大変な人気でした。思い出がカードサイズは気軽に持ち歩けるのが良いですよね。次回いつになるのかな?✨

今回は、道の駅高千穂の「KAGURA祭2024」の様子です。

写真は 夜神楽期間に盛り上げようと夜神楽のイメージをディスプレイした道の駅高千穂の様子。


【各リンク情報】

悠久の伝統と現代をつなぐ神々の里高千穂~第一弾~の記事はこちらにあります。

夜神楽情報リンク

高千穂町観光協会サイトはこちら

高千穂町役場のサイトはこちら

まびぃ内の過去記事にも夜神楽について記載があります。こちらに案内しておきます。

【宿泊者におすすめ】高千穂町に来たなら、絶対に観るべき!高千穂神楽拝観案内。


浅ヶ部の地域観光情報として八十八カ所霊場巡り等あります。

浅ヶ部八十八カ所霊場の詳細はこちらです。


「KAGURA祭2024」開催店舗情報

道の駅高千穂のInstagramはこちら

高千穂がまだせ市場直売所鬼八の蔵のInstagramはこちら

株式会社高千穂まちづくり公社のInstagramはこちら

道のに高千穂アクセスマッと

高千穂高千穂がまだせ市場 鬼八の蔵アクセスマップ


おわりに

少し補足情報です。

高千穂町に伝承されている神楽は、天照大神が天岩戸に隠れられた折に岩戸の前で天鈿女命が調子面白く舞ったのが始まりと伝えられ、古来私共の祖先は永い間高千穂宮を中心にこの神楽を伝承して今日に及んでおります。毎年11月の末から翌年2月にかけて各地農村で三十三番の夜神楽を奉納し、秋の実りに対する感謝と翌年の豊穣を祈願するものであります。

夜神楽は原則33の舞(神楽三十三番)から構成されますが、内容は高千穂内でも地区により異なり、概ね5系統(三田井系、岩戸系、上野・田原系、押方・二上系、日之影岩井川系)に分類されるようです。
浅ヶ部神楽は、三田井系の大元と言われています。 (※33番は観音様は33の仮身により人々を救うという思想によるものだそうです。)

近年は、高齢化、担い手不足等で 舞人や村役目の都合で夜神楽が奉納出来ない集落も出て来ており、そうした集落は日神楽になったり、昼に式三番と呼ばれる神楽を中心に数番奉納して願成就としたりしているようです。

 

夜神楽といえば、私は真っ先に神楽うどんを思い出します。各家庭、各神楽宿でふるまわれる地域の伝統料理です。トリとゴボウを甘辛く煮こんだものが、椎茸出汁のうどんのトッピングとなり絶妙な香りと美味しさなのです。高千穂の郷土料理と言っても良いでしょうね。夜神楽の夜の楽しみのひとつとなります。

 

ーーーー高千穂をこよなく愛するmikotochangでした。

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