高千穂スローライフvol.3「森を守り歴史を守る 高千穂町のしいたけ栽培」

山々に囲まれた自然豊かな高千穂町。

その豊かな自然と共に生きる人々が紡いできた暮らしは、まさにスローライフそのもの。

自然と調和し、ゆったりとした時間の中で丁寧に暮らす。そんな高千穂町の暮らしから、今回は「しいたけの原木栽培」を紹介します。

 

高千穂町の「原木しいたけの守り人」を訪ねて

70年ほど前に高千穂町でしいたけの仲買を始めたのがスタートだという、高千穂町三田井に本社を置く椎茸専門問屋の「杉本商店」。海外に販路を開拓した結果、爆発的に米国や中東の富裕層たちが杉本商店の椎茸パウダーを求め、その商談に世界中を駆け巡る3代目社長の杉本和英さん(最近では、しいたけ王子とも呼ばれているそうです)にお話を伺いました。

「しいたけの栽培は高千穂町で古くからある産業の一つなんだけど、人々が生活の糧として行ってきたしいたけの栽培が、実は自然を守ることにつながっているんだ。

しいたけを育てるための原木は広葉樹であるクヌギの木を使う。広葉樹の森は緑のダムとなって保水の役割をする。そして、しいたけを作るために木を切ることで、結果として森が若返る。

そんなサスティナブルな営みが、原木しいたけ栽培では当たり前のこととして続けられてきたんだよ」と杉本さん。

 

「森を守り歴史を守る」原木栽培しいたけ

高千穂町のしいたけ栽培は江戸時代から続いていると言われています。古文書では1735年にしいたけの取引がされていたという記録も。

高千穂町では古くから炭作りが盛んでした。その炭を作るための木を置いていたら、勝手にきのこ(しいたけ)が生えてきたのが始まりだったのではないかと言われています。

伐採した木からすぐにしいたけが採れるわけではありません。木に「しいたけのもとになる菌」を打ち込んだ後、ゆっくりと時間をかけ、2年後にやっとしいたけが生えるようになるのです。

しいたけの赤ちゃんがぴょこりと顔を出したら、3日ほどでよく見る「しいたけ」の形となり採取できるようになります。

「おいしいしいたけができるのは、高千穂町特有の自然の力のおかげなんだ。ひとつは、昼夜の寒暖差。そしてもう一つが雲海にもなる霧。霧が、しいたけにちょうどいい水分を与えてくれるんだ」と杉本さんが教えてくれました。

原木からしいたけが生えてくるのは、約5~6年間ほどだそうです。役目を終えた原木は、朽ちて自然に土にかえっていくのです。

「ここを見てごらん」と、茂みをかき分けて杉本さんが見せてくれたのは木の切り株。

「木を伐採することは森を壊すというイメージが強いけれど、実は全く逆。木を切ることで、地面に光が届くようになる。そうすると草花が茂る。

そして、切ったからといって木は死んでしまうのではなく、ちゃんと生きていて、切り株からは新しい芽がでてくるんだよ」と教えてくれました。

原木しいたけの栽培が森を守ることにもつながっているのは、こういうことなんですね。

 

「林福連携」で行う原木しいたけ栽培

中山間部の産業が抱える一番の問題は、担い手不足。

仕事づくりとしいたけ栽培の両面から、「林福連携」にも取り組んでいます。

福祉作業所と連携し、しいたけの栽培から乾燥などの作業を行っているそうです。

採取した原木しいたけは、乾燥機に入れる前に広げて確認します。

一つ一つ丁寧に確認した後に、遠赤外線乾燥をして「干ししいたけ」になるのです。

作業所では、原木しいたけについたゴミや汚れを一つ一つ刷毛で取り除き、虫がついていないか確認をしているそうです。この細やかな作業のおかげで、美味しくて安全な商品になるのですね。

しいたけの栽培地は山の中にあり、身体的ハンディを持つ人には地形そのものがハードルとなっているといいます。

そこで、原木しいたけの栽培が可能な平らな場所を探し求め、廃校になった小学校跡地の校庭で栽培をするという、新たな取り組みが始まりました。

「続けていく」ことで「続いていく」ための取り組みを、施設の利用者・担当者と共に考えていくことが大事だと杉本さんは語ります。

 

サスティナブルな社会を目指して

「サスティナブルな社会のために僕ができることは、しいたけを買い続けること」と杉本さんは言います。

杉本商店では、高千穂郷(高千穂町及び隣接する町村)エリアのしいたけ生産者から直接仕入れをしています。

現在約600ほどの生産者から仕入れをしており、持ち込まれたしいたけは全てその場で現金買取をするそうです。

「生産者それぞれが自分のできる範囲で生産をして、僕たちがそれを買い取らせてもらう。単純なことなんだけど、それを繰り返し続けていくことで、しいたけの栽培が続いていくことになる。だからこそ、持ってきてもらったしいたけを全て買い取らせてもらうことが僕の信条なんだ」と杉本さんは話します。

生産者から買い取ったしいたけは、大きさもかたちもバラバラの状態。

一時選別・遠赤外線乾燥・二次選別を行い、袋詰めしてやっと商品になります。

干ししいたけのほか、粉末にした「椎茸粉」、しいたけを使ったレトルトカレーなども。

レシピの冊子がついているほか、杉本商店のサイトやSNSで調理方法の紹介もされています。

 

おわりに

高千穂町の「原木しいたけ栽培」について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

干ししいたけや椎茸粉などは高千穂町内にある道の駅 高千穂やがまだせ市場 鬼八の蔵で購入することができます(最近、マスメディアなどで取り上げられていることが多いことから、品薄の時期もありますので、お買い求めの際はあらかじめお問い合わせください)。春と秋の収穫期には、賞味期限3日の「生しいたけ」に出合えることも!

★道の駅 高千穂へのルートマップはこちら

★がまだせ市場 鬼八の蔵へのルートマップはこちら

ふるさと納税返礼品にも採用されているので、ふるさとチョイスや楽天などのサイトから高千穂町で検索していただくのもおススメですよ。

★高千穂町のふるさと納税はこちら(ふるさとチョイス)

★高千穂町のふるさと納税はこちら(楽天ふるさと納税)

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